鰹通信

文筆屋ささきかつお のblogです。近況、お知らせ、読書日記など書いてます。

辺境メシ ヤバそうだから食べてみた

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【読書日記】3/16読了

『辺境メシ ヤバそうだから食べてみた高野秀行文藝春秋

ここ最近の読書で、一番パンチの効いた本。

冒険家、ノンフィクション作家として知られる

著者の本は知っていましたが、辺境へ赴けば、

そこにはそこの食べものがあり、己の範疇を超える

ヤバそうなメシは存在するわけですよね。

私事、シュールストレミング、ホンオフェなど経験済み

だったのですが、これは、もう、スゴイ。

あまり書くとネタバレになるので割愛しますが、

たとえば、P250あたりの「ヒキガエルジュース」……。

こんなの序の口ですってば。ページを捲る怖さw。

これは気の弱い方には注意喚起が必要。夢に出そう。

オレ、若かったらチャレンジするかも知れないけど、

もうお腹がもたないかも知れない。

なので、ほぼ同い年の著者さん、リスペクト!っす。

 

 

 

 

 

キッド

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【読書日記】3/10読了

『キッド』相場英雄(幻冬舎

私事、007やミッション・インポッシブル、

キングズマンなど、スパイ物が大好物でして、

それがまた日本が舞台となれば格別です。

自衛隊特殊部隊にいた男が中国商社マンの射殺事件に

巻きこまれ、それは日本という国家をも巻きこむ

大ごとになっていたという……すんごいスケール感。

警察、公安、永田町、闇の部分が炙り出される筆致は

もうノンストップ読書でございました。

とりわけ、監視システムの展開ってばもう、鳥肌。

これが現実だと思うと、怖くて、怖くて。

 

 

推理作家謎友録 日本推理作家協会70周年記念エッセイ

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【読書日記】3/7読了

『推理作家謎友録』(角川文庫)

旅先のサイゼリアで読了。

長い歴史を誇る協会の、推理作家さんたちから

募ったエッセイを50音順に並べたものなのですが、

これがまあ、面白い。

作家協会のウラ話もさることながら、

当代著名作家さんたちのキャラが滲みでてて、

そのお人柄が800字程度の文字数に凝縮されてます。

やっぱスゴイ作家さんはエッセイもスゴイんです。

憧れます。

 

 

 

 

 

こころが傷んでたえがたき日に

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【読書日記】3/4読了

『こころが傷んでたえがたき日に』上原隆(幻冬舎

或る日、ふと「友がみな我よりえらく見える日は」という

石川啄木の句を思い出し(そういう心境だったのかも)、

ググってみるとこの本の存在を知る。

啄木の句と同名タイトルだった上原さんの著作は既読で、

なんだろ、市井の人々のドラマをコツコツを積み上げた

筆致に吸い込まれるように読了したのを覚えております。

(ナショナル・ストーリー・プロジェクトの日本版みたいな感じです)

で、その新刊が出てたのですね。

恐らく、その人とは気づかず、街角ですれ違ってたかも

知れない。そんな人びとが次から次と現れ、その人生を

著者は丁寧に聞き、そして言葉に変えていく。

それだけのこと? と言われるかも知れないけれども、

それだけのことが、どんなフィクションよりも深くて、

含蓄のある言葉に変わっているのだから、ワタクシ的に

教科書のような一冊に思えるのです。

人の数だけ人生はある。あたりまえのコトだけどね。

 

 

 

 

うらさだ

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【読書日記】2/20読了

『うらさだ』さだまさしとゆかいな仲間たち(小学館

私事、神様と仰ぐ方がおられまして、その中のお一人。

同著は、同じく氏をリスペクトする方々のお話集。

落語家、歌手、芸人などなど、その影響力たるやもう。

トイレの神様」は、さだまさしの影響で作られた。

純恋歌」(湘南乃風)も。

池ちゃん(レキシ)のMCが長いのも。(笑)

あらためて、その影響力に驚かされるわけです。

かく言うワタクシメも、さだまさしを聴いてなかったら、

小説は書いてなかっただろうな。書けなかっただろうな。

そんなコトを考えた次第です。神様ありがとう。

 

 

 

 

不定期連載8

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第八話「〜になります」

私事で恐縮だが、言葉を扱う仕事をしていると、

不思議な日本語表現に戸惑うことがある。

その一つが「〜になります」である。

先日とあるファミレスで本日のランチを注文する。

数分後「お待たせしました。本日のランチになります」

と私の前にミックスフライランチが置かれた。

はて、と思う。この「〜になります」がひっかかる。

「〜です」でいいのに、何故「〜になります」のかと。

モヤモヤした気持ちで昼食をとった。

 

そしてまた、別の店で昼食をとった時のことである。

怪しげな下町の食堂だったのだが、メニューに

「とり」と書かれてある。なんだろう、これは? 

持ち前の好奇心から私は「とり」を注文した。

数分後、店の主と思われる老人が「お待たせしました」

と私の前に置いたのは、白い卵であった。

「こ……これは?」

「こちらは、とり、になります」

その言葉に私は卵を凝視する。

果たして、その卵は微かに動いたと思いきや、

中から殻が壊され、鳥の雛が現れたのである。

主は言う。「ほらね、とり、になったでしょう?」

ニンマリ笑うと、主は「サービスです」と刺身を置く。

「こちらは、ブリ、になります」

皿に盛られた刺身は「カンパチ」……出世魚だった。

 

(この話続く……かも知れない)

 

 

 

 

この先には、何がある?

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【読書日記】2/5読了

『この先には、何がある?』群ようこ幻冬舎

群さんが「本の雑誌社」で働いていたことは

本読みなら知っていることだと思うのですが、

その40年に渡る物書き業のアレコレが、ギュッと

詰まった本は、なかなかに面白いモノがあります。

なるべくしてなった物書き業ではない。

仕事がこなくなったら安アパートで暮らせばいい。

などなど、なかなかにユルフワな人生が素敵。

かと思えば困った人々(礼儀知らずの編集者など)

との戦いもあり、心の強い方なんだなと。

こう生きたい、と思っても出来るものではない。

その人柄が滲み出たような、軽妙で(でも芯は強い)

文体には憧れちゃいます。昨晩、一気読みでした。