鰹通信

文筆屋ささきかつお のblogです。近況、お知らせ、読書日記など書いてます。

あの子のカーネーション

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私事、毎朝の日課として、ラジオ体操〜筋トレ、

からの漢字ドリル、そして敬愛する作家さんの

作品を2Pほど写文してから、その日の仕事に

取りかかることにしています。

今年、春頃から書き写していたのが、これ。

伊集院先生の若き日のエッセイ集であります。

ギャンブルと酒と野球が多いのですが、

記述される風景描写の美しさが、すこぶる好き!

特に「潮騒の花」はmyベストエッセイです。

とても勉強になりました。ありがとうございました。

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夢見る帝国図書館

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【読書日記】6/19読了

『夢見る帝国図書館中島京子文藝春秋

いやぁこれ、面白いです!

現時点で今年のmyナンバー1ですね。

上野の奥にある「国際こども図書館」は

個人的にも縁のある所なのですが、

舞台はその周辺。

物書きの「私」が、喜和子さんという人生の

大パイセンに出会ったことから話が動くのですが、

喜和子さんの謎めいた人生を辿っていくと

明治から続く図書館の歴史が見えてくるっていう

ラクリになってまして、

中島さんの代表作『小さいおうち』に並ぶくらいの

濃厚な大河小説になっているんですよね。

かといって、そんな堅苦しい話ではなく、

飄々と日々を過ごしているキャラたちの微笑ましさ、

いろいろあるのにサラリと過ごしている彼、彼女に

クイ、と引き込まれてしまう。上手いなあ……と。

久しぶりに楽しい読書ができて幸せでした。

 

 

 

 

 

検事の信義

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【読書日記】6/10読了

『検事の信義』柚木裕子(KADOKAWA

佐方貞人シリーズの最新作ですね。

罪をまっとうに裁かせることを信義とする検事。

その愚直なまでの誠実さが、組織の黒さに浮いていて、

それでも自分の正義にこだわる彼に惹かれる。

中短編を集めたものなのですが、短い話の中に、

登場人物の背負ったものが滲み出ていて、入ってしまう。

これが柚木さん作品の〝うま味〟なのかなあと思う。

松坂桃李が演じた、あの広島のお巡りさんも出てきて、

読者サービスもあって、嬉P。

 

 

 

 

 

白昼夢の森の少女

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【読書日記】5/20読了

『白昼夢の森の少女』恒川光太郎角川書店

幻想的な小説を書かせたら、右に出る者はいない。

そう個人的には思っている恒川さんの短編集。

単行本に収録されてない、バラエティな作品たちです。

表題の植物化していく人々の話や、

時空を越える銀の船の話なんかが結構好きなんですが、

平成最後のおとしあな、っていう飄々とした

なんとも言えない面白さをもった作品もツボった。

ああ、こういう現実離れした本を読むのって楽しい。

 

 

 

 

 

 

トリニティ

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【読書日記】5/14読了

『トリニティ』窪美澄(新潮社)

窪さんの作品には、ハッとさせられるテーマ、

言葉が詰められていて、読了後にものすごい満足と

重たい〝何か〟を感じてしまう。それが心地よい。

本書は、昭和〜平成の出版界にいた三人の女性達が

それぞれの仕事、家庭、人生を振り返るという形式で

綴られているのですが、自分には超ストライクで……。

終盤の90年代とか、私事ですが同業でしたもので、

彼女たちとすれ違っていたのかも、なんて思ったりね。

(モデルはいるけど、あくまでフィクションです)

そんな出版業界の栄枯盛衰をずっと見ていると、

輝いていた彼女たちの濃密な人生絵巻ってえのが、

実にビビッドに浮かび上がってきまして、

読了後、ウムム……としばらく放心しておりました。

 

「女だって自由に生きていいのよ」

この言葉に象徴される本書のテーマは

時代、職業に関係なく、今後も問われるのでしょう。

 

直木賞候補に入ってほしいな。

 

 

 

 

 

 

同潤会代官山アパートメント

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【読書日記】5/7読了

同潤会代官山アパートメント』三上延(新潮社)

大正〜平成の70年間、そこで暮らした家族四世代の

それぞれにスポットを当て綴られた連作短編集。

造られた当初はモダンの象徴だった同潤会アパートが、

時をへてレトロと化していく。住んでいた曾祖父母も。

この「人の数だけドラマがある」という当たり前を

筆者はしっかりと捉えて、彼・彼女に寄り添って、

時代の空気を十分に含ませて表現してくれている。

その質感がとてもジワる。

 

個人的には今年のベスト3に入ります。(現時点でね)

直木賞本屋大賞も期待したいです。オススメですよ。

 

 

 

 

 

作家カフェ

昨日(5/4土)、八重洲ブックセンターさんで

作家カフェなるものが開催されるとのコト。

「来て来て!」とパイセン作家さんにお声がけを

いただきまして、冷やかしに行ってきました。

会場に着きますと、おお〜っ、盛況、盛況。

サイン会の延長みたいなノリで、

2時間も話ができて、で、作家さんの方も

読者の方々とじっくり話ができる。

それはそれは素敵な時間でありました。

書き手と読み手が居合わせる空間って

昔はなかったよね、と思いながら、それが現代では

SNSなどがあるけどね、と思いながらも、

それでも実際に顔を合わせて話をするなんて機会は

貴重だと思うのですよ。

こういうイベントがもっともっと増えますように。