鰹通信

文筆屋ささきかつお のblogです。近況、お知らせ、読書日記など書いてます。

息子と狩猟に

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【読書日記】

『息子と狩猟に』服部文祥(新潮社)

 

考えさせられる読書だった。

著者経歴やタイトルから、ノンフィクションと思ってめくると、

ん、ノワール調のエンタメ? でも狩猟に出る父子も出て来る。

それが、読み進めていくと、とんでもないコトになっていく。

振り込め詐欺グループ内の諍いで、殺した死体を埋めに行く男と、

前述の猟銃を持った父子が山中で出会う。その緊迫感!!!

純文学誌に掲載の作品だが、そんな枠に収まらない世界観がある。

どうなるんだろ。この先どうなってしまうんだろ……。

そう思いながらページをめくる手が止まらなくなってしまった。

だが根幹はサスペンス的な筋運びではなく、命を奪う=殺すという

ことの意味を殺人者、狩猟者の立場で読み手に訴えかけている点。

読みごたえアリです。アタリです。

 

 

 

 

『ラス君』シリーズ新作

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『ラス君』シリーズ最新作「デジャヴ編」「望みの果て編」。

本日、見本誌が届きました〜♪ 発行はPHP研究所です。

来週後半〜書店に列ぶ予定。詳細は追ってご案内しまーす。

世界で一番のクリスマス

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【読書日記】

『世界で一番のクリスマス』

 石井光太文藝春秋

 

凄惨な状況へ飛びこんでいくノンフィクションで

この著者の物書きとしての信念にはいつも脱帽しています。

近年は(おそらく取材源から発想された)フィクションも

手掛けられるようになり、それも注目しているのですが、

本作がそれ。上野〜鶯谷を中心とした、性風俗産業に関わる

人たちにスポットを当てたもの。

縁のない世界ですから、そのリアルがヒシヒシ伝わってくる。

ここで生きてきて、これからも生きていく人たちの覚悟も。

話の筋運びに引き込まれるのはモチーフもそうだけれど、

流れるような筆致にもある。黒川博行さんの大阪モノに近い。

とまれ、すこぶるアタリの1冊でありました。

何の予備知識もなく読んで、この表紙のお姉さんは誰と思って

調べたら、実は所収の短編作品のモデルさんだったのですね。

いやまあ、すごいですわ。

今後も石井さんの本は追って行こうと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜空に泳ぐチョコレートグラミー

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【読書日記】

『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』

 町田そのこ(新潮社)

 

今年のMyナンバー1、おそらく確定。

タイトルだけ見るとフワフワした感覚の作品?と思いきや、

連作短編の、かなり深めの、ドスンとくる重いものでした。

関東の片隅の、小さな町で暮らす彼、彼女たちの日常。

一人一人にドラマがちゃんとあって、ちゃんと向き合ってる。

彼等の葛藤、対峙する運命、その絶望と希望をしっかりと

描ききっていて、ザラザラ、ヒリヒリとした読感に、魂を何度も

鷲掴みされる。こんな本、年に数冊しか出会えない。

R18文学賞の作家さん(豊島ミホさん、窪美澄さん etc.)は

とてつもない感性で、かなり読み手の心を抉ってくるので

大注目なんですが、また新たな書き手に出会えて嬉しいス。

同じ世界の片隅にいる身分として、襟を正す思いでした。

これはちゃんと小説に向き合えって神様のお告げかも……。

本作をtwitterで紹介してくれた池田エライザさんの

目利きぶりにも感謝ですね。

 

 

魂でもいいから、そばにいて

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【読書日記】

『魂でもいいから、そばにいて 3.11 後の霊体験を聞く』

 奥野修司(新潮社)

 

行方不明、関連死を含め、総数は1万9千人以上。

だがその数字は単なる記号ではなく、その時まで生きていた

一人一人の物語があり、残された人にも思い出がある。

非科学的、不謹慎とも取られてフォーカスされることが

少なかった震災後の霊体験を、著者は戸惑いながらも、

真摯に、正面から体験者に聞いて行く。

ことの是非はともかく、当事者にとってはタイトルの言葉に

その思いが詰まっていると思うのですよ。

個人的にフムと思ったのがP96のくだり、

「近代科学とは、たかだか四百年の歴史にすぎないのである。

生命の歴史四十億年の中の、たった四百年なのだ。

その程度の歴史で、理解できなければ排除することのほうが

おこがましいと言わざるをえないだろう。」

うんうん、ですよね。

 

それと興味深いのは東北という地域性でしょうか、

自分も東北の血をひくので「見えないもの」ってわかるんです。

 

 

 

 

 

 

秋田の新米

両親の在所が秋田県八峰町という米どころでして、

毎秋、本家のタカシ従兄から新米をいただいております。今年も!!!

なもんで今夜は「ごはん」がメインディッシュ。

それに合う “アテ” を揃えてみました。

玉子焼き、焼き鮭、昆布わさび、イカ塩辛、松前漬、明太子。

嗚呼、至福。

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