鰹通信

文筆屋ささきかつお のblogです。近況、お知らせ、読書日記など書いてます。

『Q部あるいはCUBEの始動』ライブ動画です

先週末に開催しました拙著『Q部あるいはCUBEの始動』の

発売記念ライブですが、その後、友人&知人の皆様から

「行きたかった」「見たかった」の声をいただきました。

 

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メンバーの奥様が収録してくださった動画をいただきました。

ちょこっとだけ、お披露目しますね。

 

 

新作を発表すると、テーマソングを作るのを慣例としており、

f:id:maehara63:20181112124443j:plain『Q部あるいはCUBEの始動』

 

このテーマソング「放課後はミステリー」

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毎回披露するオリジナルが、昔話を◎◎風サウンドにした楽曲。

例えば、『カチカチ山』の狸の気持ちを、山崎まさよし風に歌う曲。

 

「泥の舟」

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また例えば、『笠地蔵』のお爺さんの気持ちを、槇原敬之風に歌う曲。

 

「地蔵がやってくる」

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アホかと……(笑)。

 

こんなアホな曲を毎回作っては披露しております。

歌の内容はかなりアホですが、バンドのクオリティはハイレベルです。

 

この他、秦基博っぽい『かぐや姫』、ゲス極乙女風「おむすびころりん」、

aikoチックな『一寸法師』&『シンデレラ』福山雅治など披露しました。

 

次回、ライブをやるとすれば、それは新刊を出す時になりますので、

先週発売の『Q部あるいはCUBEの始動』が売れることが大前提です。

 

みなさま、応援よろしくお願いいたします。 <(_ _)>

 

さあて、そろそろ小説家業に戻ります。

『Q部あるいはCUBEの始動』ライブ

昨日(12/15土)、ほぼクローズの告知でしたが、

拙著『Q部あるいはCUBEの始動』の発売を記念して、

高円寺ペンギンハウスで発売記念ライブを開催しました。

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新作を刊行すると、そのテーマソングを作り、

発売に合わせてライブをすることを慣例にしています。

(今回も「放課後はミステリー」という新曲を披露)

お越しいただいた方には、もれなく新刊をプレゼント、

それと、うまい棒のオマケつき。

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1部は新刊の朗読会と、私のグッダグダのソロ演奏。

そして2部はセミプロ先輩方のサポートでバンド演奏。
来場者様に楽しんでもらいました(……と信じたい)。

 

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そんな遊びみたいなコトやってないで、小説書けよ!って

お叱りの声が聞こえてきそうですが……。

本が売れないと各所から嘆きが聞こえている昨今、

漫然と小説を書き、出版社さんに出してもらうだけでは、

先細りする一方でありますし、小説家自らが、何かしら

アクションを起こし、PRをすることも大事と思っています。

ま、半分以上は趣味でもあるんですが、

こうしたオモロイことやってる小説書きがいることを

認知していただき、少しでも作品に目を向けてもらえれば

嬉しいかなあと思っているのです。

お休みの日に、私の酔狂にお付き合いいただいた

担当編集者さんはじめ、お越しいただいた皆様、

(お土産くれたF谷さん、A川さん、あざ〜す)

サポートしてくださった先輩方、関係各位にこの場を借りて

御礼申し上げます。ありがとうございました。

 

ささきかつお

不定期連載7

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第七話「老人とウニ」

気分転換に日帰り旅行に出かけ、ある港町の駅でおりた。

ウニが名物と聞いていたので、栗の林を抜けて漁港へ、

すると、

「そこの若い方、ちょっと寄っていかんかね」

道端で商いをしている老人に声をかけられる。

はて、ここに朝市があったか? 近寄ってみると、

発泡スチロールの箱の中に、黒々、トゲトゲが見える。

「これは、ここで獲れたウニですか」

「否」と、老人が返す。

「半分はウニだが、もう半分はここの名産、栗じゃよ」

「……?」

私は箱をのぞき込む。たしかに黒と、緑色が半々。

「若い方、旅でいらしたと察する」

「そうです」

「なら、ワシと勝負しようではないか」

「勝負?」

「さよう、どれがウニで、どれが栗か、見分けるのだ」

「そんなの」と、私は笑みを浮かべた。

だって、緑色は、まだ熟していない栗なのだから。

「若い方、緑が栗とお思いだろうが、違う、違う」

「は?」

「ここのウニは “緑ウニ" といって、若い栗イガに似ている」

「なんと!」

「そしてもう一つの名産は “黒栗" じゃ、だが若イガは緑色」

「ううむ」と私は唸る。つまり、区別がつかないのか。

「ところで」と、私は老人に別の話をふる。

「なぜここで、このようなコトをなさっているのですか?」

「年寄りの酔狂と思ってくだされ。さて、ウニはどれかな」

私は目を凝らして緑、黒のトゲトゲを見分けようとする。

「あ」と、簡単な見分け方に気づいた。

「動いていますよ。まだ生きている。なのでコレがウニ」

私が答えると、老人はフフと不敵な笑みを浮かべた。

「やはりご存じなかったのですな」

「何をです?」

「この町の名産  “黒栗" は、動くのです」

 「……」

 

 

 

ぎょらん

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【読書日記】12/4読了

『ぎょらん』町田そのこ(新潮社)

昨年『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』がすごいと

拙ブログにて紹介させていただいた作家さんです。

待望の2作目を読めたのですが、私、終始ボロ泣きでした。

不思議なタイトルは、内容も不思議で、亡くなった人の

思いが赤い珠となって遺体についている、通称ぎょらん。

じゃあ、ただの不思議話かと言えば、そうじゃない。

連作短編で、各章、大事な人を失った主人公たちが、

故人とのこじれた過去に思いをめぐらせ、あがいていく。

一つ一つのエピソードがね、どうにもこうにも

切なくって、やりきれなくて……そういった人間の業が

ギューーーーーーッと詰まってるものだから読了するには

かなり精神的な体力が必要で、すごく濃密だった。

その濃密な個々の思いが、ある瞬間にほころぶんですよ。

それが、たまらなくて、たまらなくて。(思い出し泣き)

この感覚、重松清さんファンならストライクかも。

 

個人的には今年のベスト3に入る本です。

もっともっと注目されてイイと思います。

 

 

 

 

不定期連載6

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第六話「寝耳に」

ホウホウ、という聞き慣れない声に目を覚ますと、

枕元にぼんやりと立っていたのは、

「いかにも、ミミズクである」

「な、なぜミミズクが私の枕元に……」

あ然として、その愛らしいモフモフを眺めていると、

「なぜ私がここにいるのか、知りたいのだろう」

心を見透かしたように、ミミズクは目をつぶる。

「問いたいのだ、ミミズクとフクロウの違いを」

「そんなコトを寝こみを襲ってまで……」

私は困惑するが、これは知っている雑学であった。

「耳のような羽がついているのが、ミミズク」

「ホウ……」

コイツ、知っておったのか、と驚いているようだ。

「だが、シマフクロウにも耳羽はあるのだよ」

「うっ……」

そんな例外まで、このミミズクは知っていたのか。

「じゃが、私がここにいる理由は、それでない」

「違うのですか」

「さよう、オヌシは寝ておったろう。だからな」

「だから?」

「寝耳に水、ならぬ、寝耳にミミズク。なんちって」

「そ、それを言いたいがために……」

「くだらないか」

「くらだないか、くだらなくないかと問われれば」

「くだらない、そう言いたいのだろう。だがな」

そういってミミズクは足もとを見る。

一匹のミミズが、うねうねとのたくっていた。

「私が来なければ、コヤツがオヌシの耳に……」

「ひゃあ」と私は声をあげる。

「寝耳に水、ならぬ、寝耳にミミズ。だったのよ」

「恐ろしい話です」

「だろう。ではこれにて、失礼」

そう言って、ミミズクは闇の中へ消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

神さまを待っている

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【読書日記】11/22読了

『神さまを待っている』畑野智美(文藝春秋

派遣切りから転落していく女性の話。

なかなかにリアルなのは実体験もあるという。

いわゆる転落モノは数多かれど、これほど

ヒシヒシと伝わってくるのは書き手の力量に

ほかならないわけで、そういう意味で覚悟を

感じる作品でした。

貧困とは、お金がないのではなく、

頼れる人がいないのだ、という言葉も頷ける。

現代社会の、うす暗い部分を見事に切り取った

リアリズムじゃないでしょうか。

オススメしたい一冊です。

 

 

 

 

 

熱帯

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【読書日記】11/19読了

『熱帯』森見登美彦文藝春秋

森見登美彦氏の著作はデビュー時から追ってまして、

個人的には黒髪の乙女とか、毛玉たちの話が好き、

なんですが、こんな奇想譚も結構好物であります。

発売日に購入し、さっそく読み耽った晩秋の夜更け、

なんですが、あまりの濃密ぶりに結構クラクラです。

森見登美彦氏が学生時代に出会った『熱帯』なる本。

この本をめぐる奇妙な冒険譚が始まるワケですが、

いやあ、これがもう、底がなくって、底がなくって、

自分が同書の中にズブズブと沈んでいく感覚になる。

扉を開けたら、また扉で、それを開けたらまた扉。

著者特有の不思議な言葉が、今回もてんこ盛りで、

「沈黙読書会」「暴夜書房」など、うごうごですが、

いつもほどのうごうごではなく、謎が深くなる。

ああもう、こんな濃密な500頁強をどうしませう、

と思ったていたら、あーっという間に読了でした。

とまあ、紹介するにも内容は複雑すぎるし、それに、

簡単に説明できないのがモリミーワールドですし。

あえて言うなれば、「想像と創造」がカギかなあ。

著者のアタマの中が少しだけ垣間見えた気がします。

これまでのイマジネーションの集大成……?

いや、まだまだモリミーワールドは続いていくし、

これからも楽しませてくれることでしょうし。

とまれ、じっくりと楽しませていただきました。

着地も見事! ごちそうさまでした。