鰹通信

文筆屋ささきかつお のblogです。近況、お知らせ、読書日記など書いてます。

検事の信義

【読書日記】6/10読了 『検事の信義』柚木裕子(KADOKAWA) 佐方貞人シリーズの最新作ですね。 罪をまっとうに裁かせることを信義とする検事。 その愚直なまでの誠実さが、組織の黒さに浮いていて、 それでも自分の正義にこだわる彼に惹かれる。 中短編を集…

白昼夢の森の少女

【読書日記】5/20読了 『白昼夢の森の少女』恒川光太郎(角川書店) 幻想的な小説を書かせたら、右に出る者はいない。 そう個人的には思っている恒川さんの短編集。 単行本に収録されてない、バラエティな作品たちです。 表題の植物化していく人々の話や、 …

トリニティ

【読書日記】5/14読了 『トリニティ』窪美澄(新潮社) 窪さんの作品には、ハッとさせられるテーマ、 言葉が詰められていて、読了後にものすごい満足と 重たい〝何か〟を感じてしまう。それが心地よい。 本書は、昭和〜平成の出版界にいた三人の女性達が そ…

同潤会代官山アパートメント

【読書日記】5/7読了 『同潤会代官山アパートメント』三上延(新潮社) 大正〜平成の70年間、そこで暮らした家族四世代の それぞれにスポットを当て綴られた連作短編集。 造られた当初はモダンの象徴だった同潤会アパートが、 時をへてレトロと化していく。…

作家カフェ

昨日(5/4土)、八重洲ブックセンターさんで 作家カフェなるものが開催されるとのコト。 「来て来て!」とパイセン作家さんにお声がけを いただきまして、冷やかしに行ってきました。 会場に着きますと、おお〜っ、盛況、盛況。 サイン会の延長みたいなノリ…

原爆 広島を復興させた人びと

【読書日記】5/2読了 『原爆 広島を復興させた人びと』石井光太(集英社) 令和に入ってからの読書1冊目。昭和の記憶を刻む。 著者は眼を覆いたくなるような事件現場に足を運び、 その出来事を真摯にとらえ、読み手に伝える名手ですが、 今なぜ広島なのだろ…

不定期連載9

第九話「地下鉄車内にて」 仕事柄、電車などに乗っているときに 人間ウォッチングをしています。 小説のお師匠様に 「作家は電車内で本を読まず、人を見よ」と 教えられたのを実践しているワケです。 昨日、編集者さんとの打合せで都心に向かう 地下鉄に乗っ…

作家の人たち

【読書日記】4/5読了 『作家の人たち』倉知淳(幻冬舎) 旧知の編集者さんからいただいたこの本。4/11発売です。 定期通院へ向かう地下鉄車内〜病院待ち時間で読了。 そして一言「しゃ、洒落になってない……(苦笑)」 出版界の内情を「毒」をもってフィクシ…

東京輪舞

【読書日記】3/28読了 『東京輪舞』月村了衛(小学館) すっげえな、この本……と嘆息しながら読了。 実在の事件と実名がガンガン出てくるから、 ノンフィクションかと思うくらいのリアルさ。 ロッキード事件を始め東芝のCOCOM事件などなど、 昭和平成を揺るが…

続 横道世之介

【読書日記】3/20読了 『続 横道世之介』吉田修一(中央公論新社) おかえり、久しぶり、世之介。 ページを捲りながら、心の中で呼びかけていた。 そのくらい、個人的に愛着のあるキャラであり、 同世代の、自分の分身みたいな存在。 前作は大学生だった彼が…

辺境メシ ヤバそうだから食べてみた

【読書日記】3/16読了 『辺境メシ ヤバそうだから食べてみた』高野秀行(文藝春秋) ここ最近の読書で、一番パンチの効いた本。 冒険家、ノンフィクション作家として知られる 著者の本は知っていましたが、辺境へ赴けば、 そこにはそこの食べものがあり、己…

キッド

【読書日記】3/10読了 『キッド』相場英雄(幻冬舎) 私事、007やミッション・インポッシブル、 キングズマンなど、スパイ物が大好物でして、 それがまた日本が舞台となれば格別です。 自衛隊特殊部隊にいた男が中国商社マンの射殺事件に 巻きこまれ、そ…

推理作家謎友録 日本推理作家協会70周年記念エッセイ

【読書日記】3/7読了 『推理作家謎友録』(角川文庫) 旅先のサイゼリアで読了。 長い歴史を誇る協会の、推理作家さんたちから 募ったエッセイを50音順に並べたものなのですが、 これがまあ、面白い。 作家協会のウラ話もさることながら、 当代著名作家さん…

こころが傷んでたえがたき日に

【読書日記】3/4読了 『こころが傷んでたえがたき日に』上原隆(幻冬舎) 或る日、ふと「友がみな我よりえらく見える日は」という 石川啄木の句を思い出し(そういう心境だったのかも)、 ググってみるとこの本の存在を知る。 啄木の句と同名タイトルだった…

うらさだ

【読書日記】2/20読了 『うらさだ』さだまさしとゆかいな仲間たち(小学館) 私事、神様と仰ぐ方がおられまして、その中のお一人。 同著は、同じく氏をリスペクトする方々のお話集。 落語家、歌手、芸人などなど、その影響力たるやもう。 「トイレの神様」は…

不定期連載8

第八話「〜になります」 私事で恐縮だが、言葉を扱う仕事をしていると、 不思議な日本語表現に戸惑うことがある。 その一つが「〜になります」である。 先日とあるファミレスで本日のランチを注文する。 数分後「お待たせしました。本日のランチになります」…

この先には、何がある?

【読書日記】2/5読了 『この先には、何がある?』群ようこ(幻冬舎) 群さんが「本の雑誌社」で働いていたことは 本読みなら知っていることだと思うのですが、 その40年に渡る物書き業のアレコレが、ギュッと 詰まった本は、なかなかに面白いモノがあります…

全国マン・チン分布考

【読書日記】2/2読了 『全国マン・チン分布考』松本修(インターナショナル新書) (=゚ω゚)ノ あ、もう、えらくご無沙汰でーす。 ここんトコ、仕事の資料本を読み耽ってまして、 読書日記は久々だったのですが、この本、怪書です。 タイトルの通り「マン」「チン」の名称…

本のエンドロール

【読書日記】1/6読了 『本のエンドロール』安藤祐介(講談社) 今年最初の一冊をゆっくりと時間をかけて読む。 所謂お仕事小説で、本作りの裏方、印刷会社の 営業マン、工場の現場スタッフの奮闘ぶりが描かれる。 私事、執筆、編集、制作などは知っていたけ…

拙著Q部、立川「磯坊主」で発売中!

ええと、私事ですが、兄がおりまして、 JR立川駅北口で居酒屋「磯坊主」を経営しております。 ランチもやってます。昼から飲める店です。 日によりますが、終日無制限の飲み放題という 太っ腹サービスもやっています。 磯坊主 〒190-0012 東京都立川市曙町2-…

2019 謹賀新年

今年もよろしくお願いいたします。 猪突猛進とはいかないまでも、 いろいろ動きのある年にしようと思います。 Q部と同様、始動しますよ〜。 www.amazon.co.jp

2018 マイベスト本

ああもう、大晦日ですね。 今年もお世話になりました。 恒例の年間マイベスト本の紹介です。 個人的バイアスかかってますので、 あくまでも参考ということで。 以下にリンクを貼っておきます。 他にもいろいろ紹介したいのですが、今年はこんな感じ。そんな…

10代に語る平成史

【読書日記】12/24読了 『10代に語る平成史』後藤謙次(岩波ジュニア新書) 「平成」の言葉を聞いたのは、大学3年の冬休みだった。 ああ、昭和が終わり、新しい年号になるんだなぁ、 そのくらいの感慨だったのを記憶している。 30年が経ち、その平成が間も…

『Q部あるいはCUBEの始動』ライブ動画です

先週末に開催しました拙著『Q部あるいはCUBEの始動』の 発売記念ライブですが、その後、友人&知人の皆様から 「行きたかった」「見たかった」の声をいただきました。 メンバーの奥様が収録してくださった動画をいただきました。 ちょこっとだけ、お披露目…

『Q部あるいはCUBEの始動』ライブ

昨日(12/15土)、ほぼクローズの告知でしたが、 拙著『Q部あるいはCUBEの始動』の発売を記念して、 高円寺ペンギンハウスで発売記念ライブを開催しました。 新作を刊行すると、そのテーマソングを作り、 発売に合わせてライブをすることを慣例にしています…

不定期連載7

第七話「老人とウニ」 気分転換に日帰り旅行に出かけ、ある港町の駅でおりた。 ウニが名物と聞いていたので、栗の林を抜けて漁港へ、 すると、 「そこの若い方、ちょっと寄っていかんかね」 道端で商いをしている老人に声をかけられる。 はて、ここに朝市が…

ぎょらん

【読書日記】12/4読了 『ぎょらん』町田そのこ(新潮社) 昨年『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』がすごいと 拙ブログにて紹介させていただいた作家さんです。 待望の2作目を読めたのですが、私、終始ボロ泣きでした。 不思議なタイトルは、内容も不思議で…

不定期連載6

第六話「寝耳に」 ホウホウ、という聞き慣れない声に目を覚ますと、 枕元にぼんやりと立っていたのは、 「いかにも、ミミズクである」 「な、なぜミミズクが私の枕元に……」 あ然として、その愛らしいモフモフを眺めていると、 「なぜ私がここにいるのか、知…

神さまを待っている

【読書日記】11/22読了 『神さまを待っている』畑野智美(文藝春秋) 派遣切りから転落していく女性の話。 なかなかにリアルなのは実体験もあるという。 いわゆる転落モノは数多かれど、これほど ヒシヒシと伝わってくるのは書き手の力量に ほかならないわけ…

熱帯

【読書日記】11/19読了 『熱帯』森見登美彦(文藝春秋) 森見登美彦氏の著作はデビュー時から追ってまして、 個人的には黒髪の乙女とか、毛玉たちの話が好き、 なんですが、こんな奇想譚も結構好物であります。 発売日に購入し、さっそく読み耽った晩秋の夜…