鰹通信

文筆屋ささきかつお のblogです。近況、お知らせ、読書日記など書いてます。

五十音ばなし「あ」の続き

というように「あんこ」について考えを
めぐらしていた夜のことである。(前回参照

ピンポン。
モニターに映ったのは、二人の老人。
「つぶあんか、こしあんか、決めていただきたい」

思い詰めた表情が映し出され、
この寒空だし、入ってもらわねばとドアを開ける。
が、老人二人は「ここで結構」と入室を拒む。

「それで」と私は話を切り出す。
「つぶあん、こしあん。私は選択をせねばならぬので
 しょうか。私はどちらも好きなのですが」

「否(いな)」と、つぶあん爺が手で制す。
「世の中に相反するものがある以上、選択をば」
「そういうものなのでしょうか」
「さよう」と、こしあん爺が頷いている。

「うーん」と私は俯き、しばし考えて、顔を上げる。
「胃に入れば同じだ。メンドクサイから帰ってくれ」

刹那、二人のあんこ爺の目に落胆に色が見えたが、
どうでもいい。私はどちらも好きなのだから。

ドアを閉めようとすると、つぶあん爺が恨むような目で
「問題を先送りしても、いいことありませんぞ」と言う。
「さよう」と、こしあん爺が頷く。「我々だけではない」

何のことか理解できず、二人には帰っていただいたが、
私は彼らの言った意味を知ることになる。
翌日から、来訪者が増えたのだ。

きのこの山たけのこの里、どちら?」
「ヘ〜イ、YOU。コーク or ペプシ?」
「たい焼きは、頭から食べる? 尾っぽから食べる?」
「あなたが落としたのはキレイなジャイアン?それとも」

何なんだ、この二択攻撃は。
三択なら竹下景子さんにお願いしたいが、そうもいかない。

さらに昨夜、モニターに映し出されたのは
きらびやかなミニのワンピースを着た女性だった。
ペッパー警部」を歌っていた。

 

ミーちゃん、ケイちゃんか……選べないなあ。

(このネタ、古いかなあ)