鰹通信

文筆屋ささきかつお のblogです。近況、お知らせ、読書日記など書いてます。

自由を盗んだ少年 北朝鮮悪童日記

f:id:maehara63:20171005094513j:plain

【読書日記】

『自由を盗んだ少年 北朝鮮悪童日記

金革(著)、金善和(訳) (太田出版

私事、リアルに弱い。泣きの映画、小説、TVドラマを

見せられても、それが作り物と思って泣けないでいる。

(あ、でも最近年取って涙腺緩くなったかも)

だがしかし、実話となると、どうにも感情抑制機能が

バカになってしまうのだ。

本書は脱北したストリートチルドレンの半生記。

近くて遠いあの国のことは謎だらけで、

それゆえにマスコミはあれやこれやとニュースにあげる。

識者などの伝聞、推測などをもとに伝える。

ニュースソースが乏しいがゆえに同じ動画が繰り替えされる。

まあぶっちゃけ、食傷気味になってくる。

こんなに非常時になっても、無関心になってる。怖い。

そんな時に読んだこの本は、1982年に生まれた男の話。

両親を亡くし、街をさまよい、死地をさまよい、

夥しい数の死体を見てきた「リアル」が綴られる。

かの国の内側にいた、瀕死だった当事者の話なのだから、

食糧難で荒んでいく人民の心がズバズバ伝わってくる。

こんなに近くに、こんなに最近に、でもって現在も

こんな状況が繰り広げられている、という現実を

一冊の本から知ることができる。なかなかに心が震えた。

うん、すごいぞ。いろんな意味で。