鰹通信

文筆屋ささきかつお のblogです。近況、お知らせ、読書日記など書いてます。

世界で一番のクリスマス

f:id:maehara63:20171110091043p:plain

【読書日記】

『世界で一番のクリスマス』

 石井光太文藝春秋

 

凄惨な状況へ飛びこんでいくノンフィクションで

この著者の物書きとしての信念にはいつも脱帽しています。

近年は(おそらく取材源から発想された)フィクションも

手掛けられるようになり、それも注目しているのですが、

本作がそれ。上野〜鶯谷を中心とした、性風俗産業に関わる

人たちにスポットを当てたもの。

縁のない世界ですから、そのリアルがヒシヒシ伝わってくる。

ここで生きてきて、これからも生きていく人たちの覚悟も。

話の筋運びに引き込まれるのはモチーフもそうだけれど、

流れるような筆致にもある。黒川博行さんの大阪モノに近い。

とまれ、すこぶるアタリの1冊でありました。

何の予備知識もなく読んで、この表紙のお姉さんは誰と思って

調べたら、実は所収の短編作品のモデルさんだったのですね。

いやまあ、すごいですわ。

今後も石井さんの本は追って行こうと思います。