鰹通信

文筆屋ささきかつお のblogです。近況、お知らせ、読書日記など書いてます。

平場の月

f:id:maehara63:20190731090239j:plain

【読書日記】7/30読了

『平場の月』朝倉かすみ(光文社)

うん、傑作だと思いました。

人生が見えて来た50近い男女、中学同級生が再会し、

静かな大人の恋が描かれている……だけではなくって、

これって恋愛小説のククリではなく、

諦観と、それにもがく人間の生々しさが丁寧に

描かれていると感じました。

出会いと別れを繰り返した男女が、お互いのことを想い、

それゆえに、お互いの距離感に躊躇しながら、

それでもやっぱり生きていこうとする、のだけど……。

何だろう、終始静かなトーンの中に、胸中にうごめく

とてつもない感情の揺れといったものが、

同年代の読み手(=私ね)に、ジンジン響いてくる。

ドラマティックな展開がなくったって、

人の心を打つ小説っていうのが、まさにこれなんですね。

人に薦めたい1冊です。