鰹通信

文筆屋ささきかつお のblogです。近況、お知らせ、読書日記など書いてます。

罪の轍

f:id:maehara63:20191118100038j:plain

【読書日記】11/17読了

『罪の轍』奥田英朗(新潮社)

奥田さんのこの時代の作品としては、

『オリンピックの身代金』があり、

かなり引き付けられた記憶があります。

で、本作も前回の東京五輪前夜の話。

障害を抱える北海道出身の男が犯罪を重ね、

その足どりを捜査一課、および所轄の刑事が

丹念に追っていく様子を描いた長編です。

グイグイと読ませるのは昭和の風景と

人の吐息が聞こえてきそうなほどのリアル感。

最近だとこの感覚、柚木裕子さん作品に近い。

でもドップリの警察小説と違うのは、地元の女性、

犯人である男によりそった筆致があるからで、

決して一方面的な流れになっていない。

だから、まして、グイグイと読ませてくれます。

ギュッと内容が詰まった、高級な練り羊羹

食べたような読後感でした。満腹。満腹。