鰹通信

文筆屋ささきかつお のblogです。近況、お知らせ、読書日記など書いてます。

明け方の若者たち

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【読書日記】6/11読了

『明け方の若者たち』カツセマサヒコ(幻冬舎

恥ずかしながら著者の名前をこの本で知りました。

有名なウェブライターさんとは知らなかったです。

デビュー作となるこの作品、50代のオッサンにも

刺さりました。

2010年代を、20代として駆け抜けた若者の、

たぶんアルアル話だと思うのですが、

物の見方、感じ方が一歩引いた、やや俯瞰だから

文学として読み手に届いてくる。

昨今、リアリズム小説といえば小野寺史宣さんですが

この方のもかなり響いてくるんですよ。

フラれた彼女を引きずるくだり、下北沢の街の匂い。

何にでもなれる気がしてた20代。

でも何にもできず燻っていた20代。

なもんだから先が見えなくて、もがいていた20代。

過去に置いて来たものたちが、この一冊に詰まってる。

オンタイムの人も、遠い花火のように見ている人も、

こぼれ落ちる感情の言葉に引き付けられると思う。

プロフィールから察するに、著者の分身であると

思う主人公だけど、自分が同年代だったら友だちになりたい。

でもって高円寺の大将で一緒に呑みたい。