鰹通信

文筆屋ささきかつお のblogです。近況、お知らせ、読書日記など書いてます。

アンブレイカブル

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【読書日記】2/28読了

アンブレイカブル柳広司角川書店

著者のスパイものが結構好きで、本作もそんな感じかなと

読んでいくと、どうやらそうではない。

連作短編となっている各話には小林多喜二、鶴彬など

実在の人物が登場し、背後に戦前国家の闇が忍び寄る。

社会派ミステリーのド直球を見せていきながら、

終章では狂言回しである官憲の煩悶があるなど、

これは一言では言えない凄さがあると読了後、嘆息。

治安維持法の成立から100年も経っていない今、

この重いテーマにミステリ手法で切り込んだ著者の

意気込みに、ただ、ただ、脱帽するしかありません。

見事です。

この本、何らかの賞をとると思います。